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BIOGRAPHY

辰野 登恵子

TOEKO TATSUNO

1950年長野県岡谷市生まれ−2014年

辰野登恵子は「もはや絵画の時代ではない」という空気が色濃かった70年代の現代美術界にあって、
シルクスクリーンを使ったミニマルな作品からそのキャリアをスタートさせた。
それは版画による無機的なストライプやグリッドの上に、手描きの線を加えることで、
かすかな空気層やずれを生じさせるコンセプチュアルな平面作品だった。
しかし80年代以降は油彩制作を精力的に開始し、二次元の絵画において、
多次元的な表現の在り方を問い続け、2014年に急逝するまで、つねに変化し、新たな展開をいとわなかった。
1995年には東京国立近代美術館で女性初、また史上最年少で個展を開催した。
同時に作家にとって出発点となった版画制作は、油彩制作を経由することで充実したジャンルとなった。
油絵とは異なる平面表現の可能性の場として、生涯にわたって意欲的に試みられ、重要な位置にあり続けた。

作家の眼は、日常にありふれた、とるに足らないのにどこか気がかりな光景に注がれる
−テーブルのいくつかのコップに注がれた水の量の違い、左右がアンバランスな靴下の高さ−
辰野の絵画はそのような、物の置かれた位置関係、高低、凹凸や空洞といった具体的な何かから始まる。
しばしば絵画の仕分けに用いられるのが「抽象/具象」の分類だが、
それを忘れさせてしまう辰野作品の不思議さはこうした点とも関係する。
現代絵画として、つねに「新しくあること」を課し、歴史を一歩進める意志を手放さなかった辰野だが、
何層にも塗り重ねられた色彩とその組み合わせ、有機的で構築的なフォルムは、
絵画ならではの幸福にあふれており、美術史的な評価のみならず、多くの人を魅了し続けている。

COLLECTION50音順

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海外

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