企画展

福井良之助 孔版画展Ryonosuke Fukui Mimeographic Works

福井良之助 魚と小貝(detail), 1955-65年頃, 紙に孔版, 17.9 × 28 cm

会期・会場

松本

2018
05.17thu
05.27sun
10:00 - 18:00会期中無休

南青山Room

2018
06.08fri
06.16sat
11:00 - 19:0013日は休廊
概要

この度、ギャラリー石榴では5回目の「福井良之助 孔版画展」を開催いたします。

福井良之助(1923-1986)は30代後半から40代前半の約10年間、他に類をみない版画作品を集中的に制作し、現在わかっているだけで300種ほどを残しました。
それらは重厚な美しさをもった作品群ですが、その格調高さとはうらはらに、作家が手にしていたのは、当時、世にあふれていたガリ版と呼ばれる簡易印刷の道具の数々です。美術を生み出す手法としては、ほとんど見向きもされない印刷装置。まるでそれらを人知れず発見するかのようにして、彼は独自の美の鉱脈を掘りあてたのでした。

「ガリ版」という単語さえ耳慣れない世代が増えた昨今ですが、その道具をイメージできる世代にとって、福井孔版は、"あの"ガリ版で、どうやったらこんな絵づくりが可能なのか、という驚きに直結します。

原版として用いた紙(蝋原紙)は保存が難しく、創作工程の詳細を明らかにすることは、もはや難しくなりました。しかしその極細の神経質な線、明快なフォルム、複雑な絵肌は、作家が試行錯誤のすえに編みだした、いくつかの技法の組み合わせによるものとされています。
後に洋画家として大家となる福井ですが、若き日の孔版には、この意外な技法との出会いに導かれるように、描きたい世界をスルスルと実現させていった、当時の生き生きした姿が重なります。

もともと刷り部数が少なく、当時よりアメリカなど海外の人々に評価され、多くが国外にもたらされた背景もあり、福井孔版の全貌はいまだ正確には把握されていません。
この度の展示では、孔版20余点を通し、日本の戦後美術における豊かな伏流を展覧いたします。


本展は『工芸の五月』の参加ギャラリーとしても開催され、5月26、27日の2日間は別会場(シナノ画房内:松本市深志3-7-8)でも特別展を同時開催します。
(『クラフトフェアまつもと2018』同日)

出品作品

PAST

過去の展覧会