- TOP
- EXHIBITIONS
Astrid Köppe / PARAMNESIA
![ARTOSAKA](/static/img/top/2407_ARTOSAKA.jpg)
- アストリッド・コッペ
- Baran Lightbox I
- 2015年
- Baran,LED panel,wooden frame
- 60 × 120 × 8 cm
- 会期・会場
-
ART OSAKA 2024
2024年
07.18
(thu)
07.22
(mon)
【会期】18日(木) 14:00 - 19:00 / 19日(金) - 21日(日) 11:00 - 19:00 / 22日(月) 11:00 - 17:00
【会場】クリエイティブセンター大阪 〒559-0011 大阪市住之江区北加賀屋4-1-55
- 概要
-
この度、ギャラリー石榴はART OSAKA 2024 Expanded Sectionに出展いたします。美術への既成概念を拡張(Expanded)するような、大型作品・インスタレーションに特化した本セクションでは、各ギャラリーより作家が個展形式でサイトスペシフィックな展示を行います。
ギャラリー石榴は、ドローイングを制作の核におく、ベルリン在住のアーティスト、アストリッド・コッペ(1974年、ドイツ、ケーテン生まれ)を招き、時の積層を感じる近代化産業遺産認定の造船所跡地の一角を舞台に、インスタレーション「PARAMNESIA」(記憶錯誤)を展覧いたします。
作家が1999年以降、生み出し続けるドローイングには、植物や動物、鉱物や菌類などの多種多様な視覚情報をとりこんだ謎めいたオブジェクトたちが、繊細で洗練されたタッチで描かれてきました。それらは、見る者からさまざまな連想を引き出しつつも、結局は解釈に着地点を与えず、私たちを奇妙な宙吊りの状態にとどめおく性質をもちます。
そのドローイングのアプローチを3次元に拡張したこの度のインスタレーションでは、見慣れたはずの日用品が、思いもよらぬ増殖と集合を繰り返しながら、まったく新しい様相を呈して奇妙な光景を繰り広げます。タイトルの「パラムネジア/PARAMNESIA」とは、現実と非現実が混ざりあう記憶障害をさす言葉ですが、まさにそれは、コッペによってもたらされる、私たちの安定的な認識や記憶への揺さぶりかけを象徴するものです。
コッペの発表は欧米のみならず、マレーシアや韓国、台湾、日本などの広域に及び、パブリック・コレクションはベルリン美術館、アントン・ウルリッヒ公爵美術館(ブラウンシュヴァイク)、ハンブルグ美術館などがあります。この度は、作家がこれまで機会あるごとに発表してきたインスタレーションを、ドローイングや、もう一つのライフワークである、ホーロー作品(金属パネルへガラス質の釉で描画して焼成した大型の平面作品)とともに紹介し、コッペの多面的な制作のありようを包括的に体験いただける機会となります。
心地よい眩惑と、くすぐったいような可笑しみを特徴とするアストリッド・コッペの世界が、音や光をとりこんだイマーシブな空間として立ちあがります。ぜひご期待ください。
- 作家ステイトメント
-
ドローイングは私の仕事の基本であり、つねに核をなすものです。私のドローイングに現れるオブジェクトは、もとよりアンビバレントな性質をもっています。それらは、どこか見覚えがあるようにみえるうえに、かなりはっきりと細かく描き込まれているので、まるで特定の何かを表しているような印象を与えます。でもあなたは、いったい自分がなにを眺めているのか、どうしたって突きとめることはできません。鑑賞者はいつだって、認知的な不協和状態に放り込まれてしまうのです。
機会があるごとに、私はこのアプローチを好んで3次元に拡張させています。それは通常、私の視覚言語とぴったりときて、しかも他の何かに発展する可能性を含んでいるような、面白いマテリアルに遭遇したとき起こります。そのような素材は、とてもありふれた日常的なもののことが多いのですが、その何かが私の目を引き、そして視覚的で、彫刻的な特質への探究がスタートするのです。たいてい物事に対する知覚を全く変えてしまうには、ちょっとしたひねりが必要です。それを引き起こすには、ものをいつもとは異なるコンテクストに置いてみたり、通常別々に見られるものを寄せ集めてみたり、などなど。
ART OSAKAでは、私のドローイングや大きなサイズの琺瑯作品に加えて、このアプローチに基づきながら長年展開してきた選り抜きのインスタレーションの数々をお見せします。これらのインスタレーションは今回の会場にむけて、特別にあつらえたものです。
(アストリッド・コッペ、2024年)
- 作家略歴
-
Astrid Köppe | アストリッド・コッペ
1974年生まれ、ベルリン在住。近年の個展にPretty Shiny Stuff / Arte Giani(ドイツ・フランクフルト、2023年)、同題でMAYA FRODEMAN GALLERY(旧Tayloe Piggott Gallery、アメリカ・ワイオミング州・ジャクソン、2022年)、konfabulasi / ギャラリー石榴(東京と長野、2020年)、 Spontaneous Paradise / Galerie Inga Kondeyne(ドイツ・ベルリン、2020年)など。グループ展は、ベルリン美術館でのImages in Fashion – Clothing in Art(2022年)、千葉県の佐倉市立美術館「カオスモス6 - 沈黙の春に」(2021年)などに参加。発表は欧米のみならず、 マレーシアや韓国、台湾、日本などの広域に及ぶ。パブリック・コレクションはベルリンの国立版画素描館、ベルリン美術館、ハンブルグ美術館など多数。2021年にはハンブルグのGalerie Carolyn Heinzより作品集『Pretty Shiny Stuff』を刊行。
PAST
過去の展覧会