アストリッド・コッペのドローイングは、キャリア初期の1999年頃から現在に至るまで、制作の根本をなすものとして続けられてきました。A4紙に、なんとも奇妙で有機的なオブジェクトを中央に配して、背景なしで描くという標本図を思わせるスタイルは一貫しています。無限ともいえるバリエーションと、精緻な描画に宿るのは、繊細な美しさと遊び心です。色鉛筆や水彩などの画材を用いて描かれる有機体は、どこかに既視感を漂わせながらも、結局その正体を誰もつきとめることができない — そんな解釈の宙吊り状態によって、私たちの想像力は起動状態に置かれてしまうのです。
*額サイズ:37.3 × 28.4 × 2.5 cm
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