plant collecting_ウノケスイレン
螺鈿、蒔絵、卵殻など、伝統的な漆芸の加飾技法を⽤いて、⼩さくも凛とした架空の植物を造形する山岸紗綾[1981- ]。作家が長年手がける「植物採集シリーズ」の一点です。作品ごとに新種の植物標本のように桐箱に納められ、⽣態や名の由来を⽰す⽂章が付されています。作家のフィクショナルな⾔葉の⼒が、植物の⾒えない細部やそれらが⽣育する光景にまで想像をかきたてます。ブローチなどの装⾝具として、⾝辺に寄り添うこともしてくれる奥ゆかしいオブジェたちです。
「plant collecting_ウノケスイレン / unokesuiren」
和名は「兎毛睡蓮」。信州以北に生息するスイレン科の多年生浮葉植物。非常に小さな種であることからこの名が付いた。花期は6~8月、地下茎から花柄を生じ、薄緑色で光沢のある花を咲かせる。明け方に静かに開くその花が、朝陽をあびて光る様が美しく、古くより屋内観賞用として愛でられた。
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